有明先生と瑞穂さん
「わかりました。
口之津先生はもっと普段の言葉遣いや、生徒への言葉を考えて発言すること。
噂や憶測の発言は、デリケートな時期の生徒の心を大いに傷つけます。
もっと言葉も行動も、ひとつひとつを冷静にできてこそ大人であり教師なのです。
生徒はその教師の姿を見ています。
あなたにはもっと学ぶべきことがある。

そして有馬さん。
あなたも疑われるような行動や身なりは控えるべきです。
『自分さえよければいい』とか、『友達がわかってくれればいい』という自己中心的な気持ちがその大切な友達までを巻き込んで今回のようになってしまった。
それを心に入れて一日一日を生活していきなさい。


・・・今回の話はこれで終わりとします」




「・・・それじゃあっ」


誰もがほっと胸をなでおろした。

瑞穂は隣にいた深江と手を取り合って喜ぶ。

愛野先生も嬉しそうに笑っていた。


有馬の後姿からはどんな表情をしているのかわからなかったが、その横顔を驚いた顔をした口之津が見つめていた。



有明も、ふっと息をひとつ吐いて二人の様子を見守っていた。
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