有明先生と瑞穂さん
「愛野先生が用事があって早退されましたので、今日は替わりに僕が来ました。
何かあったら手伝いますのでよろしくお願いしますね」

「よろしくお願いします」


瑞穂と千々石は頭を下げる。



(なんでこんな時に・・・)



できれば今日は有明先生の顔は見たくなかった――・・・




瑞穂の曇った表情に有明はまだ気づいていない。





貸出・返却は5時半まで。
6時までにはその他業務を終わらせて部活は終了する。

貸出・返却の手続きを瑞穂がカウンターで行い、奥の部屋で千々石が本や貸出カードの整理、ポップ作りを行った。

特にすることのない有明は、あまり人目のつかない奥の窓際で仕事を持ち込み机に向かっていた。

初めは入り口近くに座っていたのだが、偶然図書室にきた女子生徒達に絡まれ仕事が進まなかったらしい。


あまり顔を合わせたくない瑞穂にとっては好都合だった。
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