有明先生と瑞穂さん

「先生には後から話そうと思ってたんです」



「待たせてばかりで、いけないから･･･だから」




「突然無視したみたいになっちゃって、ごめんなさい」



「でも」


「きちんとけじめを･･･つけたかったんです」



目を見て話す勇気が出なくて下を向く。


きっと今、ひどい顔をしている。


それでも順番は違ったけど、きちんと話すと決めたんだ。


表情は見えなくても、有明先生の手がぎゅっと力を入れて握るのが見えた。

たったそれだけの反応にまた心臓は大きく鳴る。



一度ぎゅっと目を閉じて、今度は先生の顔を見上げた。





「二人に対してこのままじゃいけないから」



「だから」


「先生、」












「私、布津のところに行ってきます」