有明先生と瑞穂さん
***



「布津は、私のヒーローなの」



誰もいない教室で瑞穂は言葉を切り出した。

真っ直ぐ見た先にいる布津の後ろには窓から見える空。

もう日の沈んだ空は布津には似合わない。


布津には雲ひとつ無い青空が似合う。




「布津は私にとって小さい頃から憧れだった。
強くて優しくてかっこよくて大好きだった。
どんなときでも、布津なら助けてくれるって思ってた」


「・・・そこまで思われてるって知らなかったな」


自分自身以上の評価に布津は苦笑する。



「何度も言ってるけど俺、そんなに凄い奴でもいい奴でもないよ」


瑞穂は首を振る。



「布津にはこの気持ちがプレッシャーかもしれない。
でもね、私はこう思うことによって救われてきたんだ・・・」



告げたいのは感謝の気持ち。




「布津から好きだって言われて、布津の気持ちを感じでドキドキした。
布津が笑うと安心するのに、私を好きだというと不安になった。

初めはこの気持ちの意味がわからなくて・・・


でも布津に、き、キスされた時に気付いたの。


自分勝手な気持ちに――」



布津はもう笑うことすら忘れて黙って瑞穂の話を聞く。






「ごめんね、布津。
私は布津を恋愛感情で好きにはなれない」
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