有明先生と瑞穂さん
「あらそうだったの~」

母親はのん気に国見の話を信じ込む。

「あ、無理だったら帰りますんで」

わざと一歩引いてみせるなんて芸が効いてる。

「こっちは大丈夫よ~。ね、晴。
行くんでしょ?」

「・・・ウン」

「あ、でもご飯どうするー?
・・・結構量あるし、持ってく?」


またかい!!





結局あれよあれよと言う間に準備をさせられ家を出る。
向かうところはもちろん有明先生宅。
3階の301号室。

少しだけ久しぶり。



「今考えたら私、家着同然で出てきちゃったんですけど・・・」

「何言ってんのよ今更~!」

「いやいや、誕生日パーティーでこの格好はおかしいでしょ!!」

「お母さん気付いてなかったってー!」


人の心配をよそにカラカラと笑う。

(まったくー・・・)


そう思いながらも少し嬉しい。

正直、先生に会うのを明日まで我慢なんてできるか不安だった。
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