有明先生と瑞穂さん
「ずっと一緒にいた布津を振ってまで付き合う男かあ~!
どんな人なんだろ!
ウチ見てみたいんだけど」

「え!ええっとそれは・・・」


毎日見てますよ、なんて絶対言えない。


「ねえいくつの人?どこで知り合ったの?」

「ううっ・・・・・・」


質問攻め。
この流れはヤバイ。
どう切り抜けようか頭を悩ませていたとき、ふいに深江が呟いた。



「・・・・・・布津君、来た」


「!」


二人は深江が見つめる先を見ると、丁度教室に入っていく布津の姿を確認できた。

瑞穂は密かに胸をなでおろす。


と、深江が突然走り出し布津のあとを追った。


「あっ、深江!」

有馬が静止するがまるで聞こえていないかの様で、その横顔は無表情だった。



深江と二人で公園で話したことを思い出す。


もう一度、瑞穂の心がズキンと痛んだ。





「布津君・・・」

「おお、深江。おはよ」

「・・・・・・」


布津は深江の表情から、瑞穂から聞いて全てを知ったことを察する。


「ふ・・・」

「はーい、席につけー」



口を開きかけた時、丁度教室に入ってきた担任に遮られた。


「・・・またあとでゆっくりな」


まるで何事もなかったように、それでもどこか切なげに

布津は深江の肩をポンポンと二回叩いて自分の席についた。
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