有明先生と瑞穂さん
なんていい友達を持ったんだろう。
いつも言葉のひとつひとつに救われる。


(しかしほんとにこれは相手が有明先生だとバレるわけにはいかないなー・・・)









「ちょっちょっちょっ、深江!」


慌てふためく布津を適当に開いていた教室――資料室に押し込め深江はようやく落ち着きを取り戻した。

(またここかよ・・・)

有明の顔なんて一番思い浮かべたくないのに、ここに来ると思い出してしまう。


「なんだよ・・・」

布津は不機嫌に口を開いた。

「どうしてぇ・・・?」


辛そうに言うその顔はまるで鏡を見ているよう。


(知らねぇよ・・・そんなの、俺が一番聞きたい)


弁当すら教室に忘れて空腹が鳴る。
それでもそんなことはどうだってよかった。
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