有明先生と瑞穂さん
「ねえ、さっき言ってた3日間って何?」

今更聞くのかと思いながらも説明する。

「落ち込むし、瑞穂とも気まずいけど・・・そのまんまじゃ駄目だと思うんだ。
だから俺の落ち込み期間」


「何それ」と笑う顔はさっきまで大泣きしていたなんて思えない。


「ギクシャクしたまま離れてしまうのって何か違うと思うんだ。
何より、瑞穂が悲しむ」

「・・・どこまでも晴ちゃんに甘いね」

「自覚はある。そこが敗因でもある」

「アハハ、敗因って。

・・・でもわかるような気がする」



遠くを見る深江。
その目には別の何かが映っていることは確かだった。





「俺、部活辞めようかと思ってるんだ・・・」


「え・・・」



深江の視点が布津に戻る。

驚いた表情がまるで瑞穂を見ているようで心がズキリと痛んだ。


きっと瑞穂に言っても同じ顔をするだろう――・・・




「俺が部活とかやる理由、全部動機は瑞穂だもん。
だから・・・瑞穂に何かあれば簡単にサボれたし、今だってこうやってサボってる。

現に今、バスケしたいなんて思わないし・・・

このまま続けてたって部の皆に迷惑かけるだけだしさ

ちょっとずつでも瑞穂から卒業しねーとな」


「・・・・・・」




深江は何か言いたげな顔をしているくせに最後まで言葉を発することはなかった。
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