有明先生と瑞穂さん
深江自身もそんなことを聞かれるとは思わなかったらしくうつむく。


「実は・・・」

「えっ」


やばい、本当だったか――・・・


「自分でもよくわかんなくて」

「はぁ?」


――なんだそりゃ。



「まあまあ、やりたいようにやらせてよ~。いいでしょ別に」

「よくねーよ・・・」


背中を丸めて重い足取りで歩くと少しだけ申し訳なさそうな顔をした深江が苦笑していた。



「あのさ・・・昼休み、言いたかったことなんだけど」

「昼休み・・・?」

「布津君が部活辞めるって話」

「止めたって俺は辞めるぞ。
変な慰めも説教もイラネー」

「ううん。もし結が晴ちゃんならどう思うかなーって、考えてみたんだ」

「・・・・・・」



「きっと最初は『辞めないで』って言うと思う」


「・・・だろうな」




「でも時間を置いて冷静に考えたらきっとこう思うと思うんだ。







どうでもいいの。








布津君が部活を続けようが辞めようが、どうでもいいの」





朝はそこそこ天気がよかったのに、空は今にも雨が降りそうなほど曇っている。


昨日瑞穂といた教室から見た空と全く同じで気が滅入る。



(俺のことは、『どうでもいい』――か・・・)







雨が降るなら降ってくれ。
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