有明先生と瑞穂さん
「これ瑞穂さんとのメールなんだけど」

「何だよイキナリ自慢かよ!」

「違うよ。ちょっとこれ見て」


有明は瑞穂からの受信メールを開いた。

初めは有明の携帯に並ぶ瑞穂の名前に嫌気が差したがその内容に驚く。


「・・・俺の名前ばっか」

「はは、おもしろいでしょう」


内容は全て布津を心配するものばかり。

瑞穂自身あまりメールはしないし、しても大体短文なのに、その内容は自分でも自覚していなかった些細な行動や表情の変化を細かく有明に報告してどうすればいいのかと相談するものばかりだった。


「こんなん先生に相談しても意味ないだろ」

「だよねえ」


これが付き合いたてのカップルのメールかよ。
瑞穂のやつデリカシーないなー!


・・・でも結構嬉しい。


自然と口元が緩むのがわかる。



「わざわざコレ見せるなんて、先生も余裕だね」

「・・・君って結構性格悪いね」


お前が言うなよ。
だってもう、いい人ぶったって意味ないじゃん。




「余裕じゃないから見せたんだよ。
折角俺のトコ来たのに『布津布津』うるさいから、早くそっちの問題解決してもらわないと困る」


そう言いながらぶすっとふて腐れた。
< 901 / 1,252 >

この作品をシェア

pagetop