有明先生と瑞穂さん
「それに兄ちゃんは晴ちゃんにこの間のこと謝らなきゃだろ」

「この間?」

「うわあああああああああ!!」
「うきゃあああああああああああ!!」

バシッ

「あいてっ?!」


近くにいた瑞穂が思わず小介の頭を殴った。


「え・・・この間って・・・?」


過剰反応してしまったお陰で有明が余計に食いつく。


「あーあー・・・つかお前『晴ちゃん』って呼んでたのかよ!」

「そ、そーよねー!!小さい頃はそう呼んでたねー!なっつかしーぃ!」

「・・・・・・」


小芝居のような二人の反応に有明は訝しげな顔をした。

小介は空気を察したらしく叩かれた頭を掻きながら話をそらす。


「レトルトのおかゆ買ってきたけど食う?
今日何も食べてないだろ」

「小介君やさしーい!気が利くねえ」


瑞穂が褒めると少しだけ照れくさそうだ。


「じゃあ晴ちゃん、これやり方わかんないから教えて」

「いいよー。じゃ、ちょっとキッチン行ってくるから二人とも待っててね!」


瑞穂は逃げるようにその場を立ち去った。


部屋に有明と布津、二人きり。



(どーしろっつーんだよ・・・)


有明も同じことを思っているのか二人してため息をついた。
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