有明先生と瑞穂さん
先に口を開いたのは有明だ。


「・・・ねえ、君はこういう本を堂々と本棚に置くの?」


有明の視線の先にはなぜか綺麗に並べられたエロ本。


「え・・・?ってうわああーー!!なんでそこに?!なんじゃそりゃあああ!!」


慌てて起き上がりベッドの下に放り込む。

まさかそれが瑞穂の仕業だとは二人とも思うまい。


有明はベッドの近くに腰を降ろした。



「何しに来たんだよ・・・」

「瑞穂さんがね、すごく心配しててお見舞いに来たいって言ってたから」

「いやっ・・・先生まで来ることねーじゃん」

「一人で行かせてたらさっきの被害者は瑞穂さんだからね。来てよかったよ」

「・・・・・・」


寝ぼけていたとはいえさすがに自分でもさっきの行動は赤面モノで布津は黙り込んだ。


「親がいたらどうするつもりだったんだよ・・・」

「それは当然、教師ということを生かしてお邪魔してたよ」

「怒られるの俺なんですけど?!」

「そういうことは宿題を提出してから言おうね」


交互に見せる教師ヅラと本性に布津は疲れ果てる。


(瑞穂はこんな奴といてよく平気だな・・・)


布津がため息をついた時、今度は律儀にノックが鳴った。


コンコン


「入りま~す。お邪魔じゃないですかー?」

「ねーよ!!」
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