有明先生と瑞穂さん
***


「早くも親にバレた」

「何が?」


昼休み、弁当を持って寄ってきた有馬に瑞穂は唐突にそう言った。


「・・・・・・彼氏ができたこと」

「なんで?バレちゃマズいの?」


マズくはない。
今相手を知られるのはちょっとマズいけど。


「気付くの早すぎだよ・・・。勘が鋭すぎる」

「普通だと思うよ。
晴子が無自覚なだけ。
アンタ頭にお花飛んでる」

「と、飛んでないよ・・・!!」


瑞穂は慌ててバタバタと頭上を手で払った。



「腹減った・・・何踊ってんだ?」

「結ねぇ、今日クッキー焼いてきたぁ~」


布津と深江が机を寄せて集まる。久しぶりだ。


あれだけ失うことを恐れたモノは、今もここにこうして確かに有る。
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