有明先生と瑞穂さん

「で、相手は誰だ？布津か？お前ら仲よかったよな」

「･･･違います」


口之津の言葉がグサリと刺さる。


「んだよ、この学校か？」

「言いません！」

「ああ～？教えてもいいじゃねーか、減るもんじゃねーし。
つかテメーばっかりズリーんだよ！」

「ず、ズルイって何ですか？！」

「俺はアイツに嫌われまくって今はもはや喋りかけることすらできねーんだぞ？！
なのにテメーばっかり幸せオーラ放ちやがって！」

「ええ～、やっぱりオーラ？！
ていうか最近大人しいと思ったら口之津先生でも自重ってするんですね」

「何さりげなく失礼なこと言ってんだてめぇ」


瑞穂は力いっぱい両頬を片手で掴まれ「うぐぅ」と鳴いた。



「･･･これ以上どう動いても嫌われる気しかしねえんだよ。
今更どうしろっつーんだ」

「先生･･･」


切なげにムスッと口を尖らせる姿を見て瑞穂はどうにか協力できないものかと頭を抱える。

しかし有馬も大切な友人だ。
彼女が嫌がることはしたくない。



「はぁ～～･･･なのにいいよなあ、お前は幸せ絶頂期でよ」

「やめてくださいよぉ～」

「その反応がもう腹立つんだよ。
どうだ？もうヤッたか？」

「はあ？！ややややヤッ･･･？！」
　
　「んだよ、まだか。じゃあどこまでいった？」

「ちょちょちょちょっと！」


耳まで赤くなり慌てふためく様子がおもしろいらしく口之津は更に瑞穂をからかう。