有明先生と瑞穂さん
「相手は同い年か?若ければ若い程男はそういう勘違いを起こしがちだからな」


口之津の言葉に瑞穂はブルブルと首を振る。


「そうですよ。年上だからそんなことないですよ!」

「ふーん、年上なのか。
つってもわかんねーぞ?
結局はそいつの性格だと思うがなあ・・・」

「ワー!大丈夫ですってばー!不安にさせないでくださいよー!!」


瑞穂は耳を塞いでブルブルと顔を振る。

口之津は笑いを堪えながらしゃがみこみ、瑞穂の肩に乱暴に腕をまわした。



「俺がアドバイスしてやる」

「アドバイス・・・?」


明らかに悪者顔の微笑みだが混乱している瑞穂は気づかない。



「一回で飽きられなきゃいいんだよ」

「どういう意味ですか」

「男に『次も抱きたい』って思わせりゃいいんだ」

「ちょ・・・その直接的な表現やめてくださいよ!」

「ウブなのもいいがずっとそれじゃワンパターンだから飽きられるぞ。
何より年上だろ?
正直俺から言わせてみればお前みたいなのはイチイチ些細なことに過剰反応してめんどくせーんだよ」

「・・・・・・!!」


もしかしたら有明先生も内心同じことを思っているのかもしれない。
今は思ってなくてもしばらくすれば――・・・・・・


瑞穂の脳内では口之津の言葉が有明の言葉で変換され響き渡る。



「ど・・・どうすれば・・・」


「お前もうキスは済んだか?」

「へっ?!き、きす・・・!!」

「チューだよチュー。接吻だ」

「うぎゃー!!」


顔を両手で覆い恥ずかしがりながらも瑞穂は素直に頷く。
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