有明先生と瑞穂さん
「そんな言い方しちゃ駄目だよ・・・。
口之津先生ずっと言ってたよ。
有馬さんのこと好きだって」

「・・・そんなのあの男の思い込みだって言ってるじゃない」

「私もそう思ったんだけどさー・・・。
でもよく考えたら『思い込みじゃない恋愛』って何だろうと思っちゃって。
その人のこと『好きだー』って思い込んじゃったら何してもよく見えちゃうんだもん」


なんだか偉そうなことを言ってしまった・・・。


そう思ったが有馬の顔を見ると口をつぐんで顔をしかめていた。



「えっと・・・まあその、さ。
口之津先生の気持ちまで否定しないであげてよ」

「そんなこと晴子に関係ない・・・」

「ウッ!それは・・・そうなんだけど・・・」


なかなか頑固だ。

瑞穂はこっそりため息をついた。



「関係ないんだけどさー・・・。
一個だけ気になることあるんだけど」

「何よ」

「有馬さんって何で口之津先生のことそんなに嫌いなの?
偏見でモノ言ってたことはもう反省して謝ってくれたじゃない。
だとしたら他に嫌う理由がわからないっていうかー・・・」


「そっ、それは・・・!」

「私口之津先生のこと結構好きだからそこがすごい気になるんだよね。
怖いしいじめるけどいい人だよ、根本的には」
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