有明先生と瑞穂さん




「・・・・・・?」



耳に何かが触れる感触。

それに気付いて意識を取り戻す。
・・・知らない間にウトウトして眠ってしまっていたようだ。

瑞穂は反射的に顔を上げた。


「あ、起こしちゃった」

「!」


間近に有明先生の顔。

先生は瑞穂を囲うようにして手をつき、顔を覗き込んでいた。


「うひゃああああ!」


思わず声を上げて体を縮こまらせる。


「驚かせちゃった?ごめんね」

「わ、私寝ちゃって・・・」

「顔をうずめたと思ったらすぐ寝息が聞こえてきたよ」


先生はクスクス笑いながら瑞穂の跳ねた髪を優しく撫でた。


「・・・かわいい」


愛おしいものを見るように目を細める。

その表情に、
または口之津の言葉からくる不安に

どちらかはわからないが瑞穂の心臓はバクバクとうるさい。


まだソファに転がる瑞穂に覆いかぶさるように有明はゆっくりと顔を近づけた。



「―――・・・っ!!!」
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