有明先生と瑞穂さん
「国見さぁん・・・。相談があるんですけど」
学校の帰りに国見をいつもの駅前の喫茶店に呼び出して、瑞穂は迷わず相談した。
よくよく考えればまたこの話が加津佐にまで行き渡り、からかわれて先生にも迷惑を掛けることはわかりきっていることなのに、それ程までに心に余裕がない。
「ナニナニ?!どーしたの!!
また楽しい話?!」
ワクワクする国見を見て冷静になれた瑞穂は少しだけ後悔した。
「あっはっはっはっは!」
大まかな話を聞いて国見は爆笑する。
「これでも真剣に悩んでるんですよ~・・・」
「あはははひひひ、ごめんごめん!
やー、瑞穂ちゃんカワイー!」
瑞穂は赤面して俯いた。
「いいんじゃないのぉ?そのままほっとけば」
「や、やですよ!嫌われたらどうするんですか・・・」
「ヤバッ!本気かわいい、襲いたい」
冗談でも気持ち悪いことを言う目の前の美人に瑞穂は冷ややかな視線を向けた。
「だぁ~いじょうぶってぇー。
そんな簡単に嫌われるならこれだけ保留にしてた期間に心変わりしてるわよ」
「そっ、それはそうですけど・・・。
でも付き合ってみてわかることってあるじゃないですかあ」
「どぅはははは!まだ一週間たってないじゃない!!
早いってー!」
国見は机をバンバン叩いて喜んだ。
(ああ・・・やっぱり相談する相手間違えた。
ごめんなさい、これから被害にあう有明先生)