有明先生と瑞穂さん
時は過ぎて水曜日の夜――


授業くらいでしか瑞穂と顔を合わせることのない有明はため息をついた。


口之津とはよく話しているのにお互いの接点をなるべく周囲に知られない為に学校ではあまり話さない。

・・・逆に遠く感じる。



「はぁ・・・」

「どしたの有明。ため息なんかついて」

「お前新品のソファ買ってこいよ」

「え?!何よイキナリ!」


本当は瑞穂と一緒にいたいのに大体家にいるのは加津佐。

しまりのない顔がなんだかムカついて悪態をついた。



「晴ちゃん来ねーの?」

「平日だぞ。そうそう来ないよ」

「・・・もしかして早速晴ちゃんとなんかあったぁ?」


・・・どうしてこう勘がいいんだ、この男は。気持ち悪い。



無言でいると「なぁ~んだよ~!」と叫びながらくっついてきた。


「俺にもちょっとくらい相談してくれたっていいじゃねーかよぉ~~!!
親友だろ俺達、親友だろ?!」

「うわっ!抱きつくな気持ち悪い!」


反射的に出た足が見事に加津佐の腹に直撃すると「ぉうぇええ」と言いながらうずくまった。





「・・・どうせ晴ちゃんに早速手出しちゃって拒否られたとかじゃねーの?」

「おっ・・・!・・・なんっ?!」


「つか国見から聞いたんだけどねぇー!あはは!
晴ちゃんが相談したみたいよー?!」



なんでわざわざ国見に・・・。



「別に手を出そうとしたわけじゃないんだけど」


有明はため息をついて話しだした。
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