有明先生と瑞穂さん

加津佐の右には瑞穂。
左には有明。


「なぜだ･･････」


加津佐が低く呟いた。



「なんっで横一列ぅうう？！
晴ちゃんアッチ行けよぉー！！」

「いや･･･だって、ねえ？」


「･･･瑞穂さん、お茶でいい？」



有明は逃げるようにその場を離れた。



加津佐が小さくため息をついて瑞穂に聞こえる声で言う。

「どーしちゃったのー？今までこんなことなかったじゃん」

「そうなんですけど･･･考え出したらどうしても緊張しちゃって」

「友達にでも変な入れ知恵された？」

「よ、よくわかりますね」


本当に勘が鋭い。見てたのか？




「おい、変なこと言ってんじゃないだろうな･･･」

「俺は言わねーよ！俺は！」

「は？」


戻ってきた有明に二人でブンブンと首を振る。


「お前すぐに俺を陥れようとするだろ」

「人聞き悪いなー！」


それを聞いて何かを企んだ顔をした加津佐は、初めてこの家に来た時のように瑞穂に耳打ちするような動作をしてみせた。


「･･･何度も同じ手にはかからないからな」


そう言いながらも有明はすごく気にしているのがバレバレだ。