有明先生と瑞穂さん
「おう晴ーー!もう彼氏とはヤったか?!」

「ぎゃー!!口之津先生のバカー!!」

「うごっ?!」


職員室の前で大きな声でそんなことを言う口之津に、瑞穂は思わず顔面に張り手をくらわせた。


「もうホンット、いい加減にしないと有馬さんに言いますからね!」

「それだけはマジ勘弁」

人の気も知らずに口元を押さえてヘラヘラ笑う。


「・・・口之津先生のせいでギクシャクしちゃったんですから」

「えっ?!マジか?!」

他人事だと思って楽しそうだ。


「もーッ!これで別れちゃったら口之津先生のせいなんですからね!」

「そりゃーそんなことで別れる方が問題だろ」

「ううっ・・・」


人を散々からかっておきながらまともなことを言うのはずるい。


「あの後有馬さんに口之津先生のことフォローしてあげた人間に対してそういう態度取るんなら私にも考えがあります・・・」

「え、晴そんなことしてくれたのか」

「ええ。あやうく殺されるところでしたけど」

「お前・・・いい奴だなあ・・・。
悪かったよ。俺も真面目に相談乗ってやるから」


口之津は少し真面目な顔をしていつものように瑞穂の肩に乱暴に腕を回した。


「もう口之津先生なんかに相談しませんー!」

「んだと?!」


離れようと腕を突っぱねればもう片方の手でほっぺたを加減なしにぐにぐにとつままれる。


(こんなとこでこんなことするから目付けられるのに!)
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