有明先生と瑞穂さん

そんなことがあり、職員室前。


「･･･あ」

「え？」

「ああっ！」

「うあっ･･･」

「んあ～？」



とんでもないタイミングで鉢合わせしてしまった各々が声を上げた。



瑞穂の肩に腕をまわし必要以上に瑞穂に密着する口之津。

それを見た有明の表情が変わる。


「･･････口之津先生、何をされてるんですか？」


（ひーーー！！有明先生怒ってるー！！）


唯一有明の表情を一番読み取れる瑞穂はその怒りに驚き、更に力を込めて口之津をバリッと引き剥がす。

口之津もヤバイと思ったのか素直に離れた。


そもそも怒る有明も女二人に腕を掴まれとても人を指摘できる状況ではないのだが、本人は気付いていないらしい。


「――っと、ただの冗談ですよ、ジョウダン･･･」


口之津は有明の腕にしがみつき、汚いものを見るような目で睨みつける有馬を見て顔を青くしていた。



「これだからこの男は･･････死ねッ」


有馬はさっきまでの猫なで声が出ていたとは思えないほど低い声で吐き捨てる。



「え？え？」


小浜だけが状況を掴めずそれぞれの顔を交互に見て首をかしげていた。