有明先生と瑞穂さん
「あー、お腹一杯。ごちそう様」

「まだ話終わってねーぞ!」

「誤解を解きたいんでしょ?よくわかったつの。


で?


誤解を解くためにこれからドコ連れてってくれんの?」




「!」




アンタが不安そうな顔をすると優しくしたくなる。


今だってほら、


その喜んだ顔見ると湧く密かな優越感。







「おまっ・・・昼間からどんだけ食ってんだよ!!高っけー!」

「連れてきたのはアンタでしょー。年上のクセにケチケチと」

「馬鹿言え!俺は学生だぞ?!
研修中でバイトもできねーから仕送りだけで暮らしてんだからな」

「・・・カッコ悪。
有明先生見てみなさいよ。
愛車持ってんのよ、愛車」

「アイツはもう社会人だろうが!ソコは仕方ねーだろ」

「あーもうわかったわよ!
で?!
次はドコ行くの?
お金かかんないとこでしょ」


口之津はブツブツ言いながら薄くなった財布の中を見つめる。



それがおかしくて笑いながら見ていると、ふと胸元に光るネックレスに気付いた。



「ねえそのネックレスちょっと見せて」

「あ?コレか?」


言われるままに見せたネックレスはゴシック調のシルバーアクセ。
トップには王冠とドクロが小さめにぶら下がっていて、偉そうな口之津にぴったりな、偉そうなネックレスだ。


よく見ればブレスレットもシルバー。


学校でつけているところを見たことがないので口之津なりに一応TPOを考えているらしい。



「へえ・・・かわいい。
アンタシルバーアクセ好きだったの?」
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