有明先生と瑞穂さん
「てっ・・・照れてないっつの!調子に乗んな!」

「顔赤いぞ」

「息止めてたからよ!」

「何で止めんだよ!」

「アンタがベタベタ触るからよ!」

「はぁ?!皮膚呼吸でもしてんのか?!」


言い争いにまたしてもサングラス店員が声を上げて笑う。

(ちったぁコッソリ笑え!)



他人に笑われたことにより我に返り、二人して黙り込む。

そっと口之津の顔を盗み見れば、なぜか少しだけ嬉しそうな顔をしていた。


(そんなんじゃないんだから・・・)




有馬が口之津に背を向けると「ちょっと待て」と再び声を掛けてきた。
有馬は振向かずに返事をする。



「こういうのは・・・嫌いか?」

「え・・・・・・」


様子の違う口之津の言葉で振向き、手元を見る。


そこにはふたつのペアのネックレスがあった。

片方は黒い十字架の上の方に小さな薔薇がかかっていて、もう片方は薔薇に小さな黒い十字架がかかっているもの。

こうやってふたつ揃えないとペアだとはわからない。



「かわいい」



今まで見た中で一番好みだ。



「けど・・・これってそういう意味?」

「・・・・・・っ、駄目か?」


(ふ、二人でお揃いってことよね)



そんな、

付き合ってもいないのに、

まるでカップルみたいな






そんなことってどうよ。
< 966 / 1,252 >

この作品をシェア

pagetop