有明先生と瑞穂さん
***
「まわりでどんどんカップルできちゃうね」
布津の部活の休憩時間、見学していた深江が言った。
「・・・そして誰もいなくなった」
「あははは、怖くしないで」
元々わからなかったが、近頃の深江の言動は布津にとって理解不能だ。
「結達も付き合っちゃうぅ~?」
冗談っぽく言うが、きっと「付き合う」といえばそうするのだろう。
しかし布津にも深江にも、お互いそこまでの感情はない。
「つか最近お前、見学ばっか来るから先輩とかは付き合ってると思ってるみたいだぞ。
どうしてくれんだよ」
「何よぅ、結じゃ不満だっていうの?」
「そ~~いう問題じゃないだろ~~」
布津は次第に深江の扱い方がわかってきたような気がする。
あまり深江のことを間に受けてはいけない。
「・・・それとも晴ちゃんのこと、まだ好き?」
ふざけながらもこうやってたまに確信をつく。
それにも結構慣れた。
「・・・当たり前だろ。
どれだけ長い間アイツを好きだったと思ってんだよ」
「ふふ、だよね。すごいね」
「・・・瑞穂のためにもあんまり引きずりたくないんだけどな」
一気にスポーツドリンクを流し込む。
隣では相変わらず読み取れない笑顔で笑う深江。
「お前、俺のこと好きかどうかぶっちゃけわかんないっつってたよな」
「うん、言ってたね」
「じゃあどうして俺に構うの?
やっぱ少しくらいは気があるから?
それだったらそっとしといてくんねー?
・・・俺もあんまり期待させられると後でぬか喜びになるのは惨めなんだよね」
「まわりでどんどんカップルできちゃうね」
布津の部活の休憩時間、見学していた深江が言った。
「・・・そして誰もいなくなった」
「あははは、怖くしないで」
元々わからなかったが、近頃の深江の言動は布津にとって理解不能だ。
「結達も付き合っちゃうぅ~?」
冗談っぽく言うが、きっと「付き合う」といえばそうするのだろう。
しかし布津にも深江にも、お互いそこまでの感情はない。
「つか最近お前、見学ばっか来るから先輩とかは付き合ってると思ってるみたいだぞ。
どうしてくれんだよ」
「何よぅ、結じゃ不満だっていうの?」
「そ~~いう問題じゃないだろ~~」
布津は次第に深江の扱い方がわかってきたような気がする。
あまり深江のことを間に受けてはいけない。
「・・・それとも晴ちゃんのこと、まだ好き?」
ふざけながらもこうやってたまに確信をつく。
それにも結構慣れた。
「・・・当たり前だろ。
どれだけ長い間アイツを好きだったと思ってんだよ」
「ふふ、だよね。すごいね」
「・・・瑞穂のためにもあんまり引きずりたくないんだけどな」
一気にスポーツドリンクを流し込む。
隣では相変わらず読み取れない笑顔で笑う深江。
「お前、俺のこと好きかどうかぶっちゃけわかんないっつってたよな」
「うん、言ってたね」
「じゃあどうして俺に構うの?
やっぱ少しくらいは気があるから?
それだったらそっとしといてくんねー?
・・・俺もあんまり期待させられると後でぬか喜びになるのは惨めなんだよね」