有明先生と瑞穂さん
「本当だわ・・・貴女・・・えっと、瑞穂さんだったかしら?
よくこの本がわかったわね」

「いやぁ、アハハ」

頭を掻きながら照れていると有明が

「瑞穂さんは図書部員の中でもこの図書室の本に関しては一番詳しいんですよ」

と更に褒める。


「そ、そんなことは・・・」

「いいえ、以前からよく助けられてますから」


「晴ちゃんスゴ~い!」



自分でも全く気付かなかったところを褒められると驚きと同時にむずがゆい気持ち。


(そうなのかな・・・)


自分の知らない自分自身の長所を気付いてもらえるということがこんなに嬉しいとは――








「この本のこのページと・・・あとこっちの・・・」

「付箋を持ってくればよかったですね。あ、この資料も」



「・・・・・・」

有明と小浜がレポートに集中する中、邪魔をしてはいけないと瑞穂は戸締りや片付けをして、小浜は有明の隣に大人しく座っている。



「あ、ここまた間違ってますよ」

「やだ、私ったら・・・ふふっ」


深江はそんな二人の様子をしばらくは黙って見つめていたが、とうとう痺れをきらして口を挟んだ。






「小浜先生ってぇ~、有明先生に気ィありますよねー」

「!!」

「え」


(ウワッ、何言い出すんだ結ちゃーーん!)


戸締りも終わり、有明達の元に戻ろうとしていた瑞穂は思わずその足を止めた。
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