有明先生と瑞穂さん
「待たせてごめんなさい。これ、預かってたココの鍵よ」

「ああ・・・ありがとうございます」


少し元気のない小浜から鍵を受け取る。

少しだけ罪悪感が湧いた。



「瑞穂さん・・・だったわよね」

「はい」

「確か有馬さんって子とも一緒にいたわよね」

「ああ・・・覚えてましたか」


「瑞穂さんも有明先生のこと好きなの?」


「・・・っ、 い、 いや、私は違いますよ・・・」


平常心を装って答える。
手は変な汗がべっとりだ。


「瑞穂さんは口之津先生と仲がいいから、口之津先生のことを好きなのかと思ってたんだけど」

「ハハ・・・私は先生にあんまり興味がないっていうか・・・」

「そう。私も高校の頃はそうだったかな。ふふ。
でも有明先生かっこいいものね。
私の高校時代にもそういう先生がいたら違ったかも」

「ははは・・・」


早くこの場を逃げ出したいあまり、何と返せばいいのか浮かばない。



「好きって言っても二人とも憧れてるだけですよ」


一生懸命選んだ言葉はまるで有明先生との仲を応援するような形になってしまった。



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