有明先生と瑞穂さん
「・・・瑞穂さんも?」

「え・・・いや、だから私は・・・」

「嘘。本当はこっそり好きなんでしょう?」


なぜそんなことを言うのかわからない。

態度に出ていただろうか。

有明先生を好きな有馬や深江と一緒にいるからだろうか。




「本当に違いますよ・・・だって私にも彼氏が」

「嘘」


小浜は優しく「ふふっ」と笑う。
その表情が少しだけ怖く見えた。


「なんでそんなこと・・・」

「だって」


小浜はゆっくりと瑞穂のスカートのポケットを指差す。


携帯の入ったポケットだ。





「そのストラップ、有明先生と同じものでしょう?」


「・・・・・・!」




有明と加津佐と国見と瑞穂。

夏休みに4人で行った旅行でお揃いで買ったクローバーのストラップ。



小浜が図書室に来て見ていたのはこれだったのだ。


きっと有明が携帯を持っていた時に見ていたのだろう――






「そっ、そーなんですかぁー?!
えーっ、知らなかったなぁ~ハハハ!
偶然ですよ、偶然!」


「ふふ、隠さなくていいじゃない」



慌てふためく瑞穂とは対照的に小浜の笑顔は余裕だ。
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