放課後図書室

「はー、はー」


足をようやくいつものテンポへ戻し、息を整える。


こんなに走ったの、久しぶり。


中学の時の膝の故障以来。


「はー。
……私、まだ、走れるんだ」


変な感動。


いやいや。


今はそんなこと関係無くて。






『目、閉じてみる?』


ボカン。


ああ、漫画だ、漫画。


私、今、漫画のキャラクターみたいだ。


絵に描いたら、今の私の顔からは湯気だか煙が出ているはず。


「……」




早瀬君は、本当に、……よく分からない。


私には攻略不可能だ。


意地悪だったり、優しかったり、真面目だったり、実はふざけていたり。
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