放課後図書室
01
「えー……。
高校2年生というのは、一番気の緩みやすい時期です。
この一年をどう使うかどうかで……」
担任になった先生の長話が続く。
学年が上がり、クラスが変わり、教室から見える景色も変わった。
でも、私にとっては特に変わりはない。
周りが変わるからと言って、私が変わるわけではないし。
頬杖をつきながら視線だけ外の桜の木に移し、見頃も終わりだな、とぼんやりと思った。
「で、美化委員の次は……、図書委員だな。
立候補者はいないか?」
先生が次々とクラスに2名ずつの委員を決めていく。
「いないなら、また先生が決めるぞー」
自分じゃありませんようにって、みんな面倒くさそうな顔をしている。
図書委員なら、別に私当たってもいいかな。