放課後図書室

「見てた……」


私は正直に答えた。


次に来る質問が分かる。


「なんで?」


ほら。


そうやって私の逃げ場を無くさせようとする。




「……」


何も言えなくなる。


だって……。


さっき、……ついさっき。


覚悟を決めたばかり。


早瀬君に告白するって。




でも、今日じゃなくて、……明日のつもりだった。


今日の夜にちゃんと、その心構えとイメトレをするつもりだったんだ。




なのに、こんな急に。


なんでこういうシチュエーションを勝手に作っちゃうんだろう、早瀬君は。
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