剣舞
いつの間にか
青空が広がっていた。


赤い岩盤の舞台に、仰向けに転がっていたオリビアは、おもむろに体を起こした。


そして、我が目を疑う。


「何故・・・?

あなたが、ここに・・・」

掠れる声で問う。


近づく男に、指を伸ばし、確かめるように、その肌に触れる。

「ヴァイス・・・」


その名が、唇から溢れるように零れた。

「オリビア・・・
君を迎えに来た。
・・・一緒に来てくれないか?」

突然のヴァイスの申し出に、オリビアは困惑する。

「自分のやりたいようにしなさい。」
ジルが、いってオリビアを促す。

「オリビア、自分に正直にね。」
カレンも同じ様に背中をおす。



「後は、オリビア、君次第なんだ。」

照れたように言って、腕を広げるヴァイスに、オリビアは笑みかけ、その腕にとびこむ。


「もう、何も・・・心配しなくていいから。」


その言葉に、腕の中で何度も頷く。

「ほら、な?
・・・手にいれただろ?」

最初に交わした言葉
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