剣舞
「ある日突然、苦痛となるものですよ。特に、女性は。」

断定したように追言するディックの言葉に、ヴァイスは眉間にシワを寄せ、少々不快そうな表情をした。

ディックの言葉が、全て憶測であるとは、思えなかったから。

おそらく、アンジェラの中では、その件に関する何らかの気持ちが揺らいでいるのだろう。


「とにかく、一度、姫様を伺って、ご様子を・・・。」

ディックが、話を終えた。


すすまぬ気持ちを追いやり、これも執務の一つと割り切って、彼はかけていた玉座から立ち上がった。


 
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