剣舞
「オリビア、何故だ?」
彼は問う。
甘い期待が、自分の中にあることは、否めなかった。
でも、現在とるべき道は、ひとつしかなかった。
拒絶の意志をとる。
現実は、そんなものだから。
恋のキズは、時間が癒してくれる。
忘れてしまえばいい。
瞼をとじて、告げる決断をした。
「経験よ。」
強い意志を持った瞳で、
さっきまでと打ってかわった
強い表情でつづける。
「あなたより、長く生きてるからわかる。
あなたと現実に、共有できるものは、ないわ。
環境も・・・なにかも・・・。」
生きてる世界が違うのよ。
共有できるものがあるとすれば
気持ちだけ
でも、それは
互いのクビをしめるだけだから。
しない。
「共有な・・・」
いいかけたコトバを切り、
ヴァイスは白みかけた景色をみる。
「なんて・・・」
壮大な景色に魅せられる。
黄みを帯びた光線が、
砂の大地をその色に染めていく。