裏表マネージャープレーヤーの楽しみ

「じゃあ、僕から話してもいいかな？」
声が出ず、ただ、うなづくだけで精いっぱいだ。

「君は僕の所属している部活動をご存じだね」

彼は硬式テニス部。優衣からの情報で知っていた。
「うん。硬式テニス部でしょ？」
「ご明答。部員数は全員で200名を超える。そこでだな…」

彼、小田切君は顔を歪ませ考えた。少し戸惑っているようだ。

なんの事かもわからない私。

「あの…小田切君？」

「ふぅ…心配させてすまなかった」
(僕の計画に掛る確率…95％)

彼は何かをつぶやいた。
「え？」
「いっ、いや…なんでもない」

と、しどろもどろになる小田切君。さっきの話の続きが聞きたくて、私は言ってみた。

「小田切君、私になにか頼みごと？」

少し驚いた顔をしたが、「フッ。正解だよ」と答え、彼はその頼みごとを柚希に言った。

柚希はそのあと、耳を疑う事になる。