Dictator



 「で、今回は? キモチワルいのだったら俺、やだよ?」


 「やだよ、ってガキじゃないんだらワガママ言うなよ」


 俺はキモチワルいのがすごく嫌いである。


 まぁ、そんな好きなやつもいないと思うけど。



 「バラバラ連続殺人事件」


 「…………帰っていい?」


 やる気、消失。


 疲労感、最大。



 「まぁ見てくれ、現場の写真だ」



 「いやいやいやいやいや!! 絶対やだっ!」




 バラバラ死体の写真なんて見たら、俺は倒れるだらう。



 「そう言うだろうと思ったから、死体はないよ。片したあとの写真だから」


 瞬が広げた写真に恐る恐る目をやると、そこには確かに死体はなかった。


 よくドラマで見る見たいに、人形が白い枠でおおわれているだけだ。但し、バラバラ。





 「こりゃあなんか、不自然だな」


 うっすらコンクリートに残る血痕から見て、どこかでバラバラにしたのではなく、その場で解体され、崩れ落ちたかのようなのだ。



 「凶器は?」



 「まだ発見はされてないが、傷口はスッパリいってるから、ノコギリでは無さそうだな。日本刀なんかで一刀両断って感じだ」



 「………ま、"適応者"だろうな」
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