6 L O V E .
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「聡!ほら、また来てるぜ、お前の彼女!」
「うるせーよ、恭平!彼女じゃねえって」
男子校の校門によく立ってられるよな・・・あいつ。
「まだ付き合ってねえの?あんな健気なのに?」
「だから、彼女いらねえんだって」
みくちゃんにフラれて俺は、初めて恋の痛みを知った。
今まで散々女を傷つけてきたであろう俺は、恋する資格なんてないのかもしれない。
「おいおい。お前が彼女いらないとか気持ちわりいんだけど」
「とにかくあいつにはもう来ないように言うわ」
そう恭平に告げて、俺は教室を出る。
もう二ヶ月もすれば、この教室ともこの学校ともサヨナラだ。