6 L O V E .



「いつまでついてくんだよ!」



5分ほどしてさすがに俺もイライラししてきた。

振り向きざまに見たのは、


「は・・・」


屈託のない少女の笑顔だった。



「すみません!つい・・・嬉しくて!先輩と帰れるなんて夢みたいですっ」



真っ直ぐすぎるこいつの言葉が今の俺には痛かった。


こんなバカみてえなやつ・・・なおさら傷つけたくないと思った。




「・・・帰れ。もう二度と俺の前にその顔見せんな」



俺は冷たい視線を少女に浴びせると、早歩きでその場を後にした。


後ろで、何か言っている声も無視した。





< 206 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop