6 L O V E .
「いつまでついてくんだよ!」
5分ほどしてさすがに俺もイライラししてきた。
振り向きざまに見たのは、
「は・・・」
屈託のない少女の笑顔だった。
「すみません!つい・・・嬉しくて!先輩と帰れるなんて夢みたいですっ」
真っ直ぐすぎるこいつの言葉が今の俺には痛かった。
こんなバカみてえなやつ・・・なおさら傷つけたくないと思った。
「・・・帰れ。もう二度と俺の前にその顔見せんな」
俺は冷たい視線を少女に浴びせると、早歩きでその場を後にした。
後ろで、何か言っている声も無視した。