6 L O V E .
「さとーし」
「ん?」
ギターのチューニングをしていると、無気力な恭平の声が聞こえた。
「梢ちゃん、一番らしーよ?」
「・・・お前、やけに詳しいな」
「あれ言ってなかったっけ?俺の弟も北高の軽音部」
「まじかよ!兄弟で真逆の頭してんのな」
恭平は有名私立中学から編入してきたのに、弟はここらじゃ最低ランクの北高・・・。
「あいつは父親に反抗して北高入ってるだけで、頭は俺より良いよ」
「・・・そうかよ」
どいつもこいつも・・・なんでそんなすげーやつばっかなんだよ。
中学の時には感じてなかった劣等感。
俺ってつくづく中途半端なやつ。