6 L O V E .
「へえ、トップバッターは北高の二年か!ジュリマディのカバーってけっこうポップバンドだな」
会場の後方の席に俺たちは座った。
四校の生徒や保護者などでほぼ満席状態だった。
懐かしいな、この感じ。二年のときもここで演奏したっけな。
"聡先輩のおかげで、私・・・北高入ってよかったって思えたんです!"
"聡先輩の歌とギターが私を救ってくれたんです!"
俺・・・コーラスしかしてなかったのに、あいつ真剣に聞いてくれてたんだな。
「聡、始まるよ」
ふと顔を上げれば、あいつの姿があった。
ボブだった髪の毛がショートになっていた。
それって、もう吹っ切れたってことなのか・・・。