6 L O V E .
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――――中学三年、夏。
夏休みを迎えた私は、有名進学塾の夏期講習に通っていた。
教室に行けば、男子だけじゃない女子も私のほうを見る。
これがちょっとした快感だった。優越感ってやつ。
「今日も白石さん、かわいい・・・」
「うらやましいよね・・・私も髪染めようかな」
「そのへんのアイドルより断然、白石さんだよな」
「今、彼氏いないらしいよっ俺、頑張ろうかな~」
口々に聞こえてくる賞賛と羨望の声。
周りからこれだけチヤホヤされたら、嫌でもナルシストになっちゃうよね。