6 L O V E .


 あれから10分ほど経ったが、あたしは全く集中できずにいた。

 あまりにも急だよ。目の前に憧れの人がいて、なんにも頭に入ってこない。


 チラっとみれば、長い指が本をめくり、前髪の間から伏せた長いまつげが見え隠れする。

 あたしって…こんなに変態だったんだ…。



 「どうかした?」

 やばい。見すぎて気づかれてしまったー!


 「あ、その本難しそうだなーと思って」

 けっこう苦しい、苦しいよ。

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