桜の花が散る前に

三年間愛用してる自転車にまたがり学校へと向かう。


毎日同じ景色の中俺は走っていく。



そこには桜並木が遠くにちょっと見える。

卒業するまでには行ってみたいな‥



出来れば誰かと一緒に‥



まあ無理だろうけど。




でもその桜並木は今は咲いていない。


地元で「幸せの木」と言われているその桜達は一年に二度、2月と5月という変な時期に咲く。



だから卒業式がある3月、入学式がある4月には桜に見送られ、桜に迎えられないのだ。



なんでその変な時期に桜が咲くのかは今だに解明されていない。


専門家が調査を七年続けているが今だに何にも分からないという。



それにしても不思議だよな。


2月と5月に咲く桜なんて。



しかも3日もたてばその桜は散ってしまうという。


だからその桜が満開の時―


それを見た二人は幸せになれると言われている。



だから「幸せの木」。




でも、その幸せの木を見た人はまだ誰もいない。


友達から聞いた話だが、満開だと思って桜並木まで行くと何にも咲いていなかったらしい。



見間違いかと思って帰ると満開の桜が咲き誇っていて‥



少し不気味だと感じる人も多いという



そんな謎めいた桜が「幸せの木」


本当に幸せになったかを知る者はまだ誰もいない。



ま、興味ないけどね。
そんな噂話。




そんな事思っていると学校についた。


門をくぐって自転車置き場にいくと見慣れた顔があった。


「おはよ!!リュウジ!!」

「‥はよ」

朝からテンション高いこいつはクラスメートの橋本美波。


やたらと馴れ馴れしいしスキンシップ激しいのでぶっちゃけ俺は嫌いだ。


「テンション低いね~!!何か嫌な事でもあったあ??」

そう言って俺の腕にしがみついてきた。


うるさいな‥


こういう奴はほんと苦手だ。




「ちょっとリュウジ~??」

橋本の腕を無理矢理はらい俺は校舎へと走っていった。



今日は朝から気分わりーや‥




< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop