星の雨が降る日。
‐01‐星の王子様‐
「とりあえずココアがいいな(ハート)」
サンタさんはあたしにココア一年分という、大きな夢をくれるのか。
「糖尿病になるわよ(ハート)」
撃沈だった。
「……チッ」
安藤陽奈(15)は、もうサンタさんを信じていない。
というか4歳で気づいてしまった。
うちの家のサンタさんはお母さんだったから。
これには深ーいわけがある訳じゃなく、わたしたちが母子家庭だからだ。
「舌打ちしない!もう!あんたは勉強しなさい!」
「やってるやってる」
言いながらやっているのはケータイいじり。
「……クリスマスケーキは無いと思え」
「ゴメンナサイ」
ケータイを素早く閉じる。
実は今日クリスマスだったりする。
毎年プレゼントは、貰えたり貰えなかったり
それでも別に構わないんだけど。
わたしにはココアがある!!