ボヤケる視界のさき

鳴は何か知っている。
その何かは分からない。


まだ初めて話してから時間は全然経っていないのに、鳴は昔から仲がいい友達のように接してくる。

そして、俺のことを知っている!!



「たっちゃん…」という言葉が鮮明に蘇ってくる!


けどこの声は誰のだ!?
鳴の声に近いけど違う気がする…。



明かりが見えない迷路でさまよっている俺に誰か教えてくれ!!…明かりのもとへの行き方を…。



俺は今はもう暗くなった夜の空を見上げた。

星1つも見えない真っ黒な空…。
この真っ黒な空でもいつかは1つ1つ輝く星と一緒に俺ら生き物を夜へ誘う。



俺もこの白紙の心に彼女と2人1つのハートを俺の白紙の心にいっぱい描き上げて、輝く星に負けないくらい地上で輝きたい。

いつか必ず…。




そして、彼女の足はとまった!!
それに合わせて俺の足も止まる。


俺は周りをぐるりと一周見た。



俺は驚いた…!!

俺はこの景色を見たことがある!
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