ボヤケる視界のさき

そして、月日はどんどんと過ぎていって中3の冬休みの日。


それまでずっとたっちゃんのことを忘れたことはなかった。
ずっと会いたかった…。


だから鳴はある決心をした。

鳴は親にたっちゃんのいる街に戻りたいと頼み込んだ。


両親はすんなりと了承してくれて、2月中旬の日にまた引っ越した。


でも、保育園の頃みたいにたっちゃんの家の隣の家には住めなくて少し離れたとこになった。

中学校には行かずに家で勉強をした。


引っ越したのはいいけど、たっちゃんの家に行く勇気は出なかった…。

鳴のこと忘れている現実をまだ見たくなかったから…。



だから鳴は毎日幼い頃の記憶を辿って想い出の公園に行った。


幼い頃によくたっちゃんと遊んだ公園。

そこに来ると鮮明に幼い頃の映像が蘇ってくるの。



最初にこの公園に来た時には、1人の男の人がいてもしかしてたっちゃんかな?って思ったけど違った。
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