ボヤケる視界のさき
知宏「達也帰ろう。」
達也「おう!」
俺たちはすぐに学校から出て、駅で電車を待つ。
田舎だから電車の本数が少ないんだよな。
知宏「達也~。」
急に知宏が話しかけてきた。
達也「なに?」
知宏「女の子に話しかけられんやった~…。」
またその話か!!
そんなに話しかけられたいのか?
俺には分からない。
達也「俺には分からんな。」
知宏「へ~。」
そう言いながら俺を見てニヤニヤしてくる。
知宏「あの子からは話しかけられたいんじゃないの?」
思わず飲んでいたジュースを吹き出してしまう。
達也「あ、あの子ってだだれだよ?」
知宏「親友くらいに対しては素直になろうぜ?」
多分今の俺、すげぉ顔赤くしてんだろうな。
まさか、気にしている子がいることを知られてるとは思わなかった。
誰にも知られたくなかった。
そう思っていたけど、俺の中で突き刺さる言葉。
『親友くらいに対しては素直になろうぜ』
俺は少しずつ変わっていこうと思った。