【短編】ヒーロー
急に鳴り出した携帯電話に、
思わず驚き体で反応してしまった。
わーびっくりしたぁ……。
鳴ってるのは、颯ちゃんの携帯。
机の上に無造作に置かれた携帯のディスプレイに目がいく。
――女の子の名前。
あ……切れちゃった。
そう思ったのもつかの間。
2度目の着信。
――違う名前の女の子。
颯ちゃんの携帯には、何件女の子が登録されてるんだろな?
――ガチャ
ドアが開き颯ちゃんが戻ってきた。
「颯ちゃん、携帯鳴ってたよ?」
「あ? あぁ……うん」
携帯の着信を確認して携帯を閉じる。
「あ……いいの?」
「何が?」