【短編】ヒーロー
鼻の奥がツンとして目頭が熱くなる。
今にも泣きそうな顔を隠して俯きながら、トイレに行った。
「あれ? 萌?」
そこに居たのは、さっちゃんとようちゃん。
仲良しの友達。
「え? 萌、どうしたの?」
私の顔を見るなり、慌てる2人。
そりゃそうだ。
我慢してた涙はトイレで友達を見た瞬間、溢れ出したんだもん。
「萌~!?」
2人にヨシヨシと頭を撫でられ、涙が止まらない。
そしてやっと出た言葉は、
「私……好きな人作るぅ~」
だった。