【短編】ヒーロー
「おー♪やっぱ可愛いっ」
「うん、萌は可愛い系だもんね」
いつも軽くしかしないメイクが濃くない?
髪もコテで巻かれてるし。
「さ、行くよっ」
「え? どこに?」
さっちゃんとようちゃんに、両サイドから手を組まれて進む私。
「決まってるじゃん、で・あ・い」
「え? 今から!?」
慌てる私ににっこり微笑み、
「前から萌のこと紹介してって子、結構いるんだよ?」
え?
私なんかを?
「そ。なのに萌ったら佐々木君の事ばっかだし」
う……。
「今からでも遅くない!
これから高校生を満喫しなきゃ!」